宗教法人会計の世界!?
今まで「企業会計」の世界で生きてきたものですから、宗教法人の決算書を見てて、当初「宗教法人会計」の仕組みが良く判らず、本当に弱っていました。
逆に言うと、企業会計でしたら企業会計原則を始めとして各種の基準があり、また会社法や金融商品取引法や税法等、一定のルールが決められているのですが、宗教の世界はその辺が非常にアバウトというか、おそらく教団の歴史の中での様々な変遷を受け継いできたと思われるローカル・ルールだらけで、当初は訳が分からず困っていました(笑)。
それでも、ようやくそれぞれの勘定科目とか特殊用語の意味するところに慣れてきて、民間で企業会計に携わってきた人たちが理解できるような姿に、少しづつ改変していこうと努力しているところです。
現在奉職している宗教法人は、いわゆる「収益事業」を全くやらない方針なので、法人税は発生しないのですが、「収益事業」に手を出さないがために財政的に苦労しているところも見受けられ、そのままで良いのかどうか、課題として取り組んでみたいと思っています。
例えば、教団には宿泊の設備も食堂も、まあまあそれなりに充実した施設が有るのですが、朝食250円、昼食・夕食はそれぞれ450円、宿泊料金は一泊850円というお値段で、運営は当然に赤字です。それというのも
■宿泊施設の経営は、いかなる名目であっても宿泊料を受け取る場合、「旅館業」=収益事業に該当する。
■ただし、宗教活動に関連して利用される簡易な共同宿泊施設で、その宿泊料の額が全ての利用者につき1泊1,000円(食事を提供するものについては、2食付きで1,500円)以下となっている場合は、収益事業には該当しない。
という税法上のルールがあるからなんですね~。
物価上昇が顕著に表れ始めた昨今、そろそろ見直しが必要じゃないかなと思っています。
厳しい教団財政の改善に向けて、長期的キャッシュフローの試算を進めていく予定です。
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